尖閣諸島の領有権問題

諸君94年11月号

 『尖閣諸島は戦前戦中には居住者もいて戦後もその地権者は明記されており、地主の未亡人で戦後東京の順天
堂病院の看護婦長を勤めていたという古賀ハナ子さんに、米軍は尖閣を爆撃演習のターゲットとして使用する慰謝
料として年間かなりの金額をはらっていた。・・(中略)・・その間台湾も北京も同じ戦勝国のアメリカが、彼等が自らの
ものであると主張する領土を占有し爆撃演習をしていることに抗議したことは一度もありはしない。』(諸君!'95.11号・
石原慎太郎)
 『この事態(台湾とシナの武装漁船による領海及び領土侵犯・注釈宇賀神)に憂慮されていた昭和天皇が、担当の
山中貞則総務長官が経緯の報告に赴いた際に、植物にも極めて堪能な分類学者として含蓄ある質問をされたという
興味深い挿話がある。それは、「尖閣諸島には蘇鉄が生えているか」、という御下問だった。「まだ確かめてはおりま
せんが」という答えに、天皇の眉がかすかに曇り、あくまで一人ごつように「蘇鉄は沖縄にはあるが、台湾にはない」
といわれたそうな。人間の往来の頻度を踏まえて分布して行く植物の態様からの、政治を超えた自然の教える真実
について暗示されたお言葉に、山中氏は恐縮した。・・(中略)・・一次隊の帰還を迎えて私たちが真っ先に聞いたこと
は、あの島にはたして蘇鉄はあったかだったが、彼等はむしろ怪訝そうに撮影した写真を示しながら島はそこら中蘇
鉄でしたがといったものだった。確かに写真には密々に生えた蘇鉄が写っていた。』(前出・同)

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日本経済新聞